インプラント治療の流れを徹底解説|期間・手順・注意点までわかる

目次

1. インプラント治療とは?まずは全体像をつかもう

歯を失ったあと、「入れ歯にするか」「ブリッジにするか」「インプラントにするか」で迷う方は多いです。
特に50代以降の方からは、「自然に噛める方法がいいけれど、手術が怖い」という声もよく聞かれます。

ここでは、まずインプラント治療の基本をわかりやすく解説します。

1-1. インプラントとはどんな治療?

インプラント治療とは、歯を失った部分のあごの骨にチタン製の人工の歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。

簡単に言えば、「失った歯の根っこから再建する」治療です。

インプラントは以下の3つのパーツで構成されています。

①インプラント体(人工歯根)

あごの骨に埋め込まれるチタン製のねじ

②アバットメント

人工歯根と人工歯をつなぐ土台

③上部構造(人工歯)

見た目の歯の部分(セラミックなど)

チタンは生体親和性が高く、骨としっかり結合する性質があるため、自分の歯のようにしっかり噛むことができるのが最大の特徴です。見た目も自然で、会話や食事中にズレることもありません。

1-2. ブリッジ・入れ歯との違い

歯を失った際の治療法には、「インプラント」のほかに「ブリッジ」や「入れ歯」も一般的に選ばれます。
それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解しておくことで、自分に合った治療法を選びやすくなります。

まずブリッジは、両隣の歯を削って支えにし、橋のように人工の歯を固定する方法です。
治療期間が比較的短く、保険が適用される場合もあるため手軽に感じられますが、

健康な歯を削る必要があることや、支えとなる歯に負担がかかるというデメリットがあります。

入れ歯は、取り外し式の人工の歯を装着する方法です。
費用が比較的安く、外科的な処置が不要という利点があります。

ただし、装着時の違和感が出やすいことや、噛む力が弱く食事の制限が生じることが欠点です。
また、装着中に外れたり動いたりすることもあります。

一方でインプラントは、あごの骨に人工の歯根(チタン製)を埋め込み、その上に人工の歯を取り付ける方法です。

手術が必要で治療期間もやや長くなりますが、見た目が自然で、まるで自分の歯のようにしっかり噛めるのが最大の魅力です。
さらに、周囲の健康な歯を削らずに済む点も大きなメリットといえます。

つまり、「しっかり噛みたい」「見た目を自然にしたい」「他の歯を削りたくない」という方には、インプラント治療が最も適しているといえるでしょう。

1-3. どんな人にインプラントが向いているのか

インプラント治療は、誰でも受けられるわけではありません。
以下のような方に向いているとされています。

  • 奥歯が1本だけなくなった方(ブリッジで両隣を削りたくない方)

  • 入れ歯のズレや違和感が気になる方

  • 自然な見た目・しっかり噛める感覚を取り戻したい方

  • あごの骨がしっかりしている方(または骨造成で対応可能な方)

 

一方で、重度の糖尿病・喫煙習慣がある方などは、骨との結合が安定しにくいことがあります。
まずは歯科医院でCT検査を受け、骨の状態を確認したうえで治療計画を立てるのが安心です。

 

2. インプラント治療の流れ

インプラントは「手術が必要」と聞くと、どのくらい時間がかかるのか不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
実際には、骨の状態や治療方法によって期間は前後しますが、
全体の目安をつかんでおくことで安心して計画を立てることができます。
ここでは、一般的な治療期間や通院回数について解説します。

2-1. 治療全体の期間はどのくらい?

インプラント治療の全体期間は、平均で6か月〜1年ほどが目安です。
この期間には、「診断」「手術」「治癒」「人工歯の装着」「メンテナンス」までのすべての工程が含まれます。

 

なぜこれほど時間がかかるのかというと、インプラント体(人工歯根)が骨としっかり結合するための“治癒期間”が必要だからです。
骨とインプラントが安定して一体化するまでには、通常3〜6か月ほどかかります。

この期間をしっかり確保することで、長期的に安定したインプラントが完成します。
ただし、治療期間は次のような要因によって前後します。

  • 骨の状態(骨の厚みや密度)

  • 骨造成などの追加処置の有無

  • 上あごか下あごか(上あごの方が治癒期間がやや長い)

  • 通院スケジュール(間隔や医院の体制)

2-2. 1本だけの場合の日数・通院回数の目安

奥歯を1本だけインプラントにする場合、通院回数の目安はおよそ6〜8回程度です。
一度の治療で全てが完了するわけではなく、以下のようなステップを順に進めていきます。

 

  1. カウンセリング・精密検査(CT撮影など)
  2. 治療計画の説明・同意
  3. 一次手術(インプラント埋入)
  4. 治癒期間(骨とインプラントの結合を待つ/約3〜6か月)
  5. アバットメント(支台)装着
  6. 型取り・仮歯調整・最終の人工歯装着
  7. メンテナンス・定期検診

1本だけのケースであれば、長くても一次手術から半年ほどで治療完了することが多く、生活に大きな支障は出ません。
手術自体も1時間前後で終わり、麻酔をして行うため痛みもほとんど感じません。

2-3. 「当日にインプラントできるケース」はある?(ワンデー治療の条件)

最近では「当日にインプラントができる」という広告を見かけることもあります。

これは、「即時荷重インプラント」と呼ばれる方法で、手術したその日に仮歯を装着できる治療法です。
ただし、誰でも受けられるわけではなく、以下のような条件を満たしている必要があります。

  • あごの骨の量と質が十分にある

  • 炎症や歯周病がない

  • 噛み合わせの力が過剰でない

  • 全身的な健康状態に問題がない(糖尿病・喫煙などに注意)

これらを満たしていない場合、無理に当日治療を行うとインプラントが骨と結合せず、
脱落(インプラントが外れる)や感染のリスクが高まります。

そのため、多くの歯科医院では「即日治療」よりも、
安全性を重視した通常の2回法(手術後に治癒期間をおく方法)を推奨しています。

3. ステップ別|インプラント治療の流れをくわしく解説

インプラント治療は、手術を含むため少し複雑に感じるかもしれません。
しかし、流れをステップごとに見ていくと、一つひとつの工程にきちんと意味があることがわかります。

ここでは、初診からメンテナンスまでの全8ステップを順に解説します。

3-1. 【STEP1】初診・カウンセリング

最初のステップは初診カウンセリングです。

ここでは、現在の口の状態や悩み、希望を丁寧にヒアリングします。
多くの歯科医院では無料相談を実施しており、次のようなことを確認できます。

  • インプラントができるかどうかの目安

  • 治療期間・費用の見通し

  • 他の治療法との比較(ブリッジ・入れ歯との違い)

この段階では、まだ手術を決める必要はありません。
不安や疑問を遠慮なく相談することが大切です。

3-2. 【STEP2】精密検査・治療計画の立案(CT撮影・骨の状態確認)

カウンセリングの後は、CT撮影やレントゲン検査を行い、
あごの骨の厚みや密度、神経や血管の位置を正確に把握します。

この検査結果をもとに、歯科医師が治療計画を立てます。

  • どの位置にどの角度でインプラントを入れるか

  • 骨造成が必要かどうか

  • 使用するインプラントの種類や本数

  • 治療期間と通院スケジュール

CT画像を見ながら丁寧に説明してもらえるため、自分の口の中の状況を“見て理解できる”安心感があります。

3-3. 【STEP3】手術前の準備

手術前には、お口の中を清潔な状態に整える準備をします。
具体的には、歯石除去や歯ぐきの炎症を抑えるためのクリーニングを行います。
また、全身の健康状態(糖尿病・高血圧・服薬状況など)を確認し、必要に応じて主治医と連携することもあります。
この段階でしっかり準備することで、手術中や術後の感染リスクを最小限に抑えられます。

3-4. 【STEP4】インプラント埋入手術

いよいよ手術本番です。
手術と聞くと不安に感じる方も多いですが、局所麻酔を使用するため痛みはほとんどありません。

一般的な手順は以下の通りです。

  1. 局所麻酔を行う

  2. 歯ぐきを小さく切開し、骨にドリルで穴をあける

  3. インプラント体(チタン製の人工歯根)を埋め込む

  4. 切開部を縫合して終了

1本あたりの手術時間はおよそ30〜60分程度です。
術後は多少の腫れや違和感が出ることもありますが、数日〜1週間で落ち着くケースがほとんどです。

3-5. 【STEP5】治癒期間

手術のあと、インプラントと骨がしっかり結合するまでの期間を設けます。
この期間を「オッセオインテグレーション」と呼び、
下あごでは約2〜3か月、上あごでは4〜6か月が目安です。

この間は特別な通院は少なく、通常の生活を送りながら経過を見守ります。
骨としっかり結合することで、長持ちするインプラントが完成します。

3-6. 【STEP6】アバットメント装着と仮歯の調整

インプラントが骨と安定したら、次にアバットメント(支台部)という金属の土台を取り付けます。
このパーツが、人工歯を固定するための「接続部分」になります。

多くの場合、この段階で仮歯を装着します。
仮歯の期間に噛み合わせや見た目を調整し、違和感がないか確認します。
この工程を丁寧に行うことで、最終的な人工歯の精度が高まります。

3-7. 【STEP7】最終の人工歯(上部構造)を装着

いよいよ最後のステップです。
歯ぐきの状態が安定したら、セラミックなどで作製した最終の人工歯(上部構造)を装着します。
人工歯は一人ひとりの歯の色・形に合わせて作られるため、見た目も自然で周囲の歯と調和します。
装着後は、噛み合わせの微調整を行い、治療が完了します。

3-8. 【STEP8】メンテナンス・定期検診(長持ちさせるために)

インプラントを長持ちさせるために、治療後のメンテナンスが非常に重要です。
インプラント自体は虫歯にはなりませんが、周囲の歯ぐきが炎症を起こす「インプラント周囲炎」には注意が必要です。

そのため、次のようなケアを継続して行います。

  • 3〜6か月ごとの定期検診

  • 専用器具によるクリーニング

  • 自宅での正しいブラッシング・フロス習慣

しっかりメンテナンスを続けることで、10年、20年と長く使えるケースが多く報告されています。

4. 治療期間を短縮できるケースと注意点

インプラント治療は、通常6か月〜1年ほどの期間をかけて、骨との結合を待つのが基本です。
しかし、条件がそろえば治療期間を短縮できるケースもあります。

ここでは、短期間での治療が可能な場合と、注意すべきポイントを紹介します。

4-1. 即日埋入(ワンデーインプラント)ができる条件

最近では、「抜歯と同時にインプラントを埋め込む」「当日に仮歯まで入れる」といった「即日治療」が行えるケースもあります。
ただし、これはすべての方に適応できるわけではありません。

ワンデーインプラントができる条件の一例

  • 骨の量と質が十分にあること

  • 炎症や感染がないこと

  • 噛み合わせの力が過剰にかからない部位であること

  • 全身の健康状態に問題がないこと(糖尿病・喫煙などはリスク要因)

これらを満たす場合、抜歯からインプラント埋入・仮歯装着までを1日で完了できることがあります。
一方で、条件がそろわないまま即日治療を行うと、

インプラントが骨と結合しないリスクが高まるため、慎重な判断が必要です。

4-2. 骨量が少ない場合の治療(骨造成・サイナスリフトなど)

インプラントは骨の中に埋め込む治療のため、
骨の量や高さが不足している場合にはそのままでは手術ができません。
その場合は、「骨造成(こつぞうせい)」と呼ばれる補助治療を行い、骨を増やす必要があります。

代表的な方法には以下のようなものがあります。

  • GBR法(骨再生誘導法):人工膜と骨補填材を使って骨の再生を促す

  • サイナスリフト:上あごの奥歯にインプラントを入れる際、上顎洞(空洞)の下に骨を増やす手術

  • ソケットリフト:サイナスリフトよりも小範囲で骨を増やす方法

これらの治療を行う場合、骨が安定するまでに3〜6か月ほどの期間が必要になります。

一見遠回りに思えますが、インプラントを長く安定させるためには大切なステップです。

4-3. 治療を早めるためにできること

治療期間を短く、スムーズに進めるためには、患者さん自身ができる工夫もあります。

治療を早めるためのポイント

  • 定期的に通院し、指示通りにケアを行う
  • 喫煙を控える(骨との結合を妨げる原因になります)

  • 口腔内を清潔に保ち、感染を防ぐ

  • 栄養バランスのとれた食事で骨の再生をサポートする

これらを意識することで、治癒期間がスムーズに進み、全体の治療期間を短縮できる可能性があります。

5. 治療前に知っておきたいQ&A

インプラント治療は「興味はあるけれど、手術が怖い」「費用が高そう」といった不安を感じやすい治療です。
ここでは、初めての方が特に気になるポイントをQ&A形式で解説します。

5-1. 手術の痛みは?腫れや出血はどのくらい?

インプラント手術は、局所麻酔を使用して行うため、手術中の痛みはほとんどありません。
虫歯治療などと同じように、麻酔がしっかり効いている状態で手術を進めます。

ただし、麻酔が切れたあとには、軽い痛みや腫れを感じる方もいます。
通常は2〜3日で落ち着き、1週間ほどでほとんど気にならなくなるケースが一般的です。

痛み止めや抗生物質を処方しますので、強い不快感を感じることはまれです。

また、インプラントの本数や部位によって腫れの程度は異なります。

手術後はできるだけ安静にし、冷やす・刺激物を避ける・口腔を清潔に保つことが回復を早めるポイントです。

5-2. 保険は使えるの?費用相場は?

インプラント治療は、自由診療(保険適用外)です。

ただし、事故や腫瘍など「特殊な事情で歯を失った場合」に限り、
一部の大学病院や指定医療機関で保険が適用されるケースもあります。
一般的な自由診療の費用相場は以下の通りです(全国平均の目安)。

  • インプラント埋入手術(1本):約30万〜50万円

  • 上部構造(被せ物)を含めた総額:1本あたり約35万〜60万円前後

(この金額には、診断・CT撮影・手術・人工歯までの費用が含まれます。)
骨造成などの追加処置が必要な場合は、別途費用がかかります。

当院では、総額表示・分割払い対応を行っておりますので、費用面で不安がある方も安心してご相談ください。

5-3. 失敗しない歯科医院の選び方

インプラントは、埋め込んで終わりではなく「長く使う」治療です。
そのため、医院選びは非常に重要です。以下のポイントをチェックしておくと安心です。

1. 経験豊富な歯科医師が在籍しているか

年間症例数や、学会認定医・専門医資格の有無を確認しましょう。
特に「日本口腔インプラント学会」などの認定医は、一定の経験・知識が証明されています。

 

2. 精密な検査・診断を行っているか

CT撮影による骨や神経の位置の確認は必須です。
シミュレーションをもとに治療計画を立てている医院を選びましょう。

3. 術後のメンテナンス体制が整っているか

インプラントは、術後の定期メンテナンスによって寿命が変わるといわれています。
「手術だけで終わり」ではなく、定期検診・クリーニング・噛み合わせチェックまで行ってくれる医院が理想です。

 6. まとめ|治療の流れを知れば不安は減る

6-1. 治療の流れを理解すれば、不安なく無料相談へ

インプラント治療というと、「手術が怖い」「期間が長そう」「費用が心配」
そんな不安を感じる方が多いと思います。

 

しかし、治療の流れを正しく理解するだけで、不安のほとんどは解消できます。
実際の治療は、いきなり手術を行うのではなく、
カウンセリング・検査・治療計画の立案を経て、ひとつずつ進めていきます。

 

担当医があなたの口の状態や希望を丁寧に確認し、
最適なスケジュールを提案してくれるので、焦る必要はありません。

 

「どんな流れで進むのか」「自分に向いているか」を理解できれば、
初めてでも安心して一歩を踏み出せるはずです。

6-2. まずはCT検査つきの無料カウンセリングを受けてみよう

インプラントが自分に合っているかは、
骨の状態や噛み合わせをCTで確認することで初めて正確に判断できます。

このカウンセリングでは、

  • あなたのあごの骨の厚み・密度

  • インプラントが可能な部位

  • おおまかな治療期間・費用目安などを、画像を見ながら説明します。

痛みを伴う処置は一切なく、相談だけでももちろんOK。
「今すぐ決めたいわけではないけど、話を聞いてみたい」という段階でも大丈夫です。

治療の第一歩は、「知ること」から。
ぜひ、気軽に無料カウンセリングを受けて、あなたの歯の状態を確かめてみてください。

 

 

理事長:竜 康弘
院長:阪本 晃多
本院:あまファースト歯科
分院名:名古屋駅前ファースト歯科・矯正歯科
 
常勤医師:8名
歯科衛生士:21名
国際口腔インプラント学会認定医:2名
日本歯科麻酔学会認定医:1名
日本矯正歯科学会認定医:3名
 
住所:愛知県海部郡大治町堀之内大堀170-3
診療時間:
平日:9:30-12:30 / 14:30-19:00(最終受付19:00)
土曜:9:30-12:30 / 14:00-17:30(最終受付17:00)
休診日:日曜日、祝日
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