目次
1. 歯列矯正は妊娠中でもできる?まずは結論から

妊娠中に歯列矯正を考え始めると、
「赤ちゃんに影響はない?」「体への負担は大丈夫?」と、不安が先に立つ方がほとんどです。
結論からお伝えすると、妊娠中でも歯列矯正は可能です。
ただし、妊娠していない時とまったく同じ感覚で進められるわけではありません。
妊娠中は体調や生活リズムが大きく変わる時期です。
そのため、矯正治療を始める場合は「できるかどうか」だけでなく、
今の自分にとって無理のない選択かどうかを考えることが重要になります。
1-1. 妊娠中でも矯正は「可能」だが条件がある
歯列矯正そのものは、妊娠中に禁止されている治療ではありません。
実際に、妊娠中に矯正を続けている方や、状況を見ながらスタートする方もいます。
ただし、妊娠中はホルモンバランスの変化によって歯ぐきが腫れやすくなったり、
つわりの影響で通院や歯みがきが負担になったりすることがあります。
また、レントゲン撮影や薬の使用に制限がかかる場面もあります。
そのため、妊娠中の矯正は「治療ができるかどうか」よりも、
体調や妊娠週数に配慮した治療計画が立てられるかどうかが大切になります。
1-2. 出産と矯正はどちらを優先すべきか
妊娠中に矯正を検討する方の多くが、
「今始めるべきか、出産後まで待つべきか」で悩みます。
体調が安定していない場合や、妊娠初期で不安が強い時期には、
無理に矯正を優先する必要はありません。
出産後であれば、治療の選択肢が広がり、身体的な制限も少なくなります。
一方で、出産後は育児が始まり、通院の時間を確保するのが難しくなることも事実です。
そのため大切なのは、「今できるかどうか」ではなく、
数年にわたる治療を無理なく続けられるかどうかという視点です。
ライフスタイル全体を見据えた判断が、後悔しない選択につながります。
1-3. 「始めない方がいいケース」も存在する理由
妊娠中の歯列矯正は、すべての方におすすめできるわけではありません。
たとえば、つわりが重く口の中に装置があるだけで強い不快感が出る場合や、
抜歯や外科的な処置を伴う治療計画が必要な場合には、
妊娠中のスタートが負担になることがあります。
矯正治療は、我慢を重ねて進めるものではありません。
特に妊娠中は、心身のストレスを最小限に抑えることが何より大切です。
「今は見送る」という判断も、決して間違いではなく、
自分と赤ちゃんを守るための前向きな選択といえます。
2. 妊娠中に歯列矯正を始めるなら「時期」がとても重要

妊娠中でも歯列矯正が可能だと分かっても、
「じゃあ、いつ始めるのがいいの?」という疑問が残ります。
実は、妊娠中の矯正は時期によって向き・不向きがはっきり分かれるのが特徴です。
無理のないタイミングを知っておくことで、治療への不安やストレスを大きく減らすことができます。
妊娠初期(〜15週頃)は慎重に考えるべき理由
妊娠初期は、つわりが出やすく体調が不安定になりやすい時期です。
ホルモンの影響で歯ぐきが腫れやすくなることもあり、
口の中に装置が入るだけで強い不快感を感じる方も少なくありません。
また、この時期はレントゲン撮影や薬の使用についても配慮が必要になります。
そのため、妊娠初期に新たに矯正をスタートするのは、
基本的にはおすすめされないケースが多いのが実情です。
この時期は、無理に治療を始めるよりも、
相談やカウンセリングにとどめておく選択が安心です。
妊娠中期(安定期)は検討しやすいタイミング
妊娠中期に入ると、つわりが落ち着き、体調が安定してくる方が増えます。
この時期は、妊娠中に矯正を始める場合の比較的検討しやすいタイミングとされています。
特に、抜歯や大きな処置を伴わない軽度〜中等度の歯並びであれば、
マウスピース矯正など負担の少ない方法でスタートできるケースもあります。
ただし、体調の安定度には個人差があります。
「安定期だから大丈夫」と決めつけず、
その時点の体調や生活リズムを最優先に考えることが大切です。
妊娠後期は「新規スタート」は見送るのが無難
妊娠後期になると、お腹が大きくなり、
長時間同じ姿勢でいること自体がつらくなることがあります。
通院が負担になりやすく、急な体調変化も起こりやすい時期です。
このため、妊娠後期に新しく矯正を始めることは、
多くの場合おすすめされません。
すでに矯正中の場合は、無理のないペースに調整しながら継続することが一般的です。
新規スタートを考えている場合は、
出産後に体調が落ち着いてから始める方が安心です。
2-1「妊娠中に始める」より「続けられるか」が大切
妊娠中の歯列矯正で最も大切なのは、
「始められるかどうか」ではなく、
途中で無理なく続けられるかどうかです。
矯正治療は短期間で終わるものではありません。
妊娠、出産、育児というライフイベントを見据えたうえで、
自分にとって負担の少ないスタート時期を選ぶことが、
結果的に満足度の高い治療につながります。
3. 妊娠中に歯列矯正を始める前に知っておきたい注意点

妊娠中の歯列矯正は「できる・できない」だけで判断すると、
あとから負担を感じてしまうことがあります。
治療をスムーズに進めるためには、事前に知っておきたいポイントがいくつかあります。
3-1. レントゲン・薬の使用はどうなる?
矯正治療では、歯や骨の状態を確認するためにレントゲン撮影が必要になることがあります。
妊娠中でも、防護エプロンを使用することで撮影自体は可能とされていますが、
時期や必要性を慎重に判断することが大切です。
また、痛み止めや抗生物質などの薬についても、妊娠中は使用できる種類が限られます。
そのため、治療内容によっては
「今は使えない」「出産後に回した方が安全」という判断になることもあります。
妊娠中の矯正では、こうした制限を前提にした治療計画が立てられるかどうかが重要になります。
3-2. 体調変化による通院の負担をどう考えるか
妊娠中は、体調が日によって大きく変わることがあります。
急な疲労感、腰痛、貧血などで、予定していた通院が負担になることも珍しくありません。
矯正治療は定期的な通院が必要になるため、通院頻度や診療時間の柔軟さも重要な判断材料です。
無理をして通う治療は、結果的にストレスになりやすく、長続きしません。
通える前提ではなく、通えなくなったときにどう対応してもらえるかまで考えておくと安心です。
3-3. 妊娠中は口の中のトラブルが起きやすい
妊娠中はホルモンの影響で、
歯ぐきが腫れやすくなったり、出血しやすくなったりします。
いわゆる「妊娠性歯肉炎」が起こりやすい時期です。
矯正装置が入ることで、
歯みがきが難しくなると、こうしたトラブルが起きやすくなります。
そのため、矯正治療と同時に、口の中を清潔に保つサポートが受けられるかどうかも大切なポイントです。
3-4. 「今始める理由」が自分の中で整理できているか
妊娠中に矯正を始めるかどうかは、正解が一つではありません。
今すぐ始めたい理由が明確で、
体調や生活リズムにも無理がないのであれば、前向きな選択になることもあります。
一方で、
「何となく今しかない気がする」「早く始めないと損しそう」
といった理由だけで決めてしまうと、
途中で後悔してしまう可能性もあります。
妊娠中だからこそ、
自分の体と生活を最優先にした判断が、結果的に満足度の高い矯正につながります。
4. 妊娠中の歯列矯正はワイヤー?マウスピース?

妊娠中に歯列矯正を考えるとき、
多くの方が悩むのが「ワイヤー矯正とマウスピース矯正、どちらを選ぶべきか」という点です。
それぞれにメリット・注意点があり、
妊娠中だからこそ見ておきたいポイントも異なります。
ここでは、妊娠中の視点から両者の特徴を整理していきます。
4-1. ワイヤー矯正の特徴と妊娠中の注意点
ワイヤー矯正は、歯に装置を固定し、
歯を動かす力を細かくコントロールできる矯正方法です。
歯並びの状態によっては、最も確実な選択肢になることもあります。
一方で、妊娠中はホルモンバランスの影響により、
歯ぐきが腫れやすく、出血しやすくなる傾向があります。
その状態で固定式の装置が入ると、違和感や不快感を強く感じてしまうケースもあります。
妊娠中にワイヤー矯正を行う場合、
特に次の点には注意が必要です。
- 装置が外せないため、歯ぐきの腫れや痛みを感じやすい
- 装置の周りに汚れがたまりやすく、歯みがきが難しい
- 定期的な調整のため、通院の負担が出やすい
体調が安定していれば問題なく進められる場合もありますが、
妊娠中は「我慢しながら続ける治療」にならないかを慎重に考える必要があります。
4-2. マウスピース矯正の特徴と向いている人
マウスピース矯正は、透明な装置を取り外しながら歯を動かす治療方法です。
妊娠中の方にとっては、
「必要に応じて外せる」という点が大きな安心材料になります。
つわりがつらいときや体調がすぐれないときには、
一時的に装置を外して休むことができ、歯みがきや食事がしやすいのも特徴です。
妊娠中にマウスピース矯正が向いているのは、
次のような方です。
- つわりや体調変化があり、固定式の装置に不安がある
- 口の中を清潔に保ちやすい方法を選びたい
- 通院回数をできるだけ抑えたい
ただし、決められた装着時間を守る必要があるため、
自己管理が難しいと治療が計画通りに進まないこともあります。
「楽そうだから」という理由だけで選ぶのではなく、
自分の生活リズムや体調と合っているかを考えることが大切です。
4-3. 妊娠中は「どちらが楽か」では決めない方がいい理由
妊娠中の歯列矯正は、
「ワイヤーかマウスピースか」という二択で決めるものではありません。
大切なのは、
今の妊娠週数、体調、歯並びの状態、治療の難易度を踏まえて、
無理なく続けられる治療計画が立てられるかどうかです。
一時的に楽に感じる方法を選んでも、
途中で負担が大きくなってしまえば、
結果的に治療が中断したり、後悔につながることもあります。
妊娠中だからこそ、
「今の自分に合っているか」「数年先まで続けられるか」という視点で、
矯正方法を選ぶことが大切です。












